小さな船 [フォノグラム時代]
『 小さな船 』
作詞・作曲:沢田聖子 編曲:渡辺博也
1985年12月1日リリース12枚目のオリジナルアルバム 『 夢のかたち 』 収録。
ディレクターやスタッフと共同プロデュース、という形をとった初めてのアルバム。
そしてアルバムタイトルが収録曲にない、初めてのアルバム 『 夢のかたち 』。
ひとつの楽曲としてではなく、アルバムとしての " 夢のかたち " を創った1枚。
そのアルバムの1曲目に収録された 『 小さな船 』。
この時代、そして沢田聖子には珍しい6分38秒に及ぶ楽曲の長さ。
ストリングスとピアノで始まるイントロは、1分30秒を超える重々しさ…。
「 あえて重たい楽曲を1曲目に持ってきたかった…」
という本人の希望で、アレンジも本人のイメージをそのまま形にしたもの。
はじめからこの楽曲をアルバムのテーマにしよう…と決めていた1曲。
今現在の私を包み隠さず曲にし、自然な形でのメッセージを伝えたい…と。
このアルバムリリースを境に、聖子さんの音楽やステージに対する語り口に
明らな変化が見られ、真のターニングポイントに差し掛かった頃…。
83年のレコード会社移籍から始まったアルバムラッシュ、シングルヒットを狙った楽曲、
写真集、ビデオクリップの発売など、華やかな時代が終焉を迎え…。
ファンもはしゃぎまくった一つの時代が終わり…。
みんな、ふと我に返ったように立ち止まり…
いつも前を走っていた貴女は…
いつの間にか…
後ろにいた…。
冷めてしまったわけじゃない
余計なものまで見えるから…
もうひとつの 『 流れる季節の中で 』 と言われた 『 小さな船 』。
クラウン時代の名曲 『 流れる季節の中で 』 から2年半。
大河の流れのような…
少女から大人の女性への過渡期としての 『 流れる季節の中で 』。
夢を追いかけ続けるアーティストへの過渡期としての 『 小さな船 』。
後年、デビュー30周年のセルフカバーアルバム『 Peaceful Memories 』にも、
『 流れる季節の中で 』 と並べて収録した 『 小さな船 』。
あの頃の想いは、ずっと…。
「 実感としては、初めて自分で作ったアルバムのような気がする… 」
アーティストとして、本当の自分の " 夢のかたち " を探し始めた時…。
「 今の自分を残しておきたい… 」
そう言っていた貴女…
あれから30年ちかく…
夢のかたちは…
夢を捨てたわけじゃない
夢の形が変わっただけ
空を渡る 雲だって
同じ場所に留まってはいられない
作詞・作曲:沢田聖子 編曲:渡辺博也
1985年12月1日リリース12枚目のオリジナルアルバム 『 夢のかたち 』 収録。
ディレクターやスタッフと共同プロデュース、という形をとった初めてのアルバム。
そしてアルバムタイトルが収録曲にない、初めてのアルバム 『 夢のかたち 』。
ひとつの楽曲としてではなく、アルバムとしての " 夢のかたち " を創った1枚。
そのアルバムの1曲目に収録された 『 小さな船 』。
この時代、そして沢田聖子には珍しい6分38秒に及ぶ楽曲の長さ。
ストリングスとピアノで始まるイントロは、1分30秒を超える重々しさ…。
「 あえて重たい楽曲を1曲目に持ってきたかった…」
という本人の希望で、アレンジも本人のイメージをそのまま形にしたもの。
はじめからこの楽曲をアルバムのテーマにしよう…と決めていた1曲。
今現在の私を包み隠さず曲にし、自然な形でのメッセージを伝えたい…と。
このアルバムリリースを境に、聖子さんの音楽やステージに対する語り口に
明らな変化が見られ、真のターニングポイントに差し掛かった頃…。
83年のレコード会社移籍から始まったアルバムラッシュ、シングルヒットを狙った楽曲、
写真集、ビデオクリップの発売など、華やかな時代が終焉を迎え…。
ファンもはしゃぎまくった一つの時代が終わり…。
みんな、ふと我に返ったように立ち止まり…
いつも前を走っていた貴女は…
いつの間にか…
後ろにいた…。
冷めてしまったわけじゃない
余計なものまで見えるから…
もうひとつの 『 流れる季節の中で 』 と言われた 『 小さな船 』。
クラウン時代の名曲 『 流れる季節の中で 』 から2年半。
大河の流れのような…
少女から大人の女性への過渡期としての 『 流れる季節の中で 』。
夢を追いかけ続けるアーティストへの過渡期としての 『 小さな船 』。
後年、デビュー30周年のセルフカバーアルバム『 Peaceful Memories 』にも、
『 流れる季節の中で 』 と並べて収録した 『 小さな船 』。
あの頃の想いは、ずっと…。
「 実感としては、初めて自分で作ったアルバムのような気がする… 」
アーティストとして、本当の自分の " 夢のかたち " を探し始めた時…。
「 今の自分を残しておきたい… 」
そう言っていた貴女…
あれから30年ちかく…
夢のかたちは…
夢を捨てたわけじゃない
夢の形が変わっただけ
空を渡る 雲だって
同じ場所に留まってはいられない
優しくして… [フォノグラム時代]
『 優しくして… 』
作詞:中里綴 作曲:西岡たかし 編曲:渡辺博也
1984年5月21日、8枚目のオリジナルアルバム 『 風の予感 』 収録。
フォノグラム移籍第二弾のオリジナルアルバムは、自作曲を2曲にとどめ、
" シンガー沢田聖子 " を前面に押し出した " さわやかな冒険 " 的アルバム。
前作『ターニング・ポイント』で少女から大人の女性への足掛かりを作り、
『 風の予感 』 でそのイメージチェンジを完成させる構図を描いた1枚。
それまでに起用したことのない著名作家陣を迎え、
サウンド的にも、大人の女性を意識した1枚に仕上げている。
「 まとまりと、落ち着きのある秀作 」という評価も多くあったものの、
" 自作曲が2曲 " というファンの落胆と失望が、後々まで大きく響いた1枚。
そして、リリース直前までシングル化の予定だったというタイトル曲は、
当時、飛ぶ鳥を撃ち落とす勢いの超売れっ子作詞家によるシングルに変更。
「なぜタイトル曲をシングルにしなかったのか?」
というファンの声も後を絶たず…。
ファンの評価も真っ二つに分かれ、『 卒業 』 に続く問題作となった1枚。
デビュー5周年のこの年、4月20日から始まった全国縦断リサイタルツアー
『 5th Anniversary Concert 』 では、1か月後のリリースアルバムから4曲、
5日後にリリースするシングル曲 『 都会人 』 『 思いちがい 』をセットリストに入れ、
大ヒットを狙ったシングル 『 都会人 』 を本編とアンコールで2回唄う、
という念の入れよう…。
この夏、さわやかな旋風を巻き起こす予感…
風の予感…。
雷鳴と雨音、ドラムの軽快なリズムで始まるアルバム1・2曲目から、
バラード調の楽曲に流れ、アルバム中盤の4曲目に位置する 『 優しくして… 』 に、
続くA面最後の 『 都会人 』 から、シングル候補だった 『 風の予感 』 へと続き、
ラヴソング2曲を挟んで自作の2曲、B面最後の名曲 『 想い出のオルゴール 』 へ…。
1枚のアルバムとしての流れ、構成、バランスとしては、とてもよく出来ている。
落ち着きのあるサウンド、アルバムイメージは、この前後のアルバムにはない。
この時代にしか見られない、眩いばかりの輝き…。
1曲1曲取り上げて聴くのではなく、1枚のアルバムとして通して聴いて、
初めてその心地良さに触れることが出来る、稀有なアルバム 『 風の予感 』 。
重苦しいイントロ、吐息交じりのせつないヴォーカルから始まる 『 優しくして… 』。
ピアノ1本のスローバラード…と思いきや、中盤から一転して流れるようなメロディ。
ストリングスに載せるヴォーカルには、シンガーとしての大きな成長がそこに…。
スローテンポで、ささやくように唄う " 優しくして… "
ではなく…
胸打つのは…
軽やかなメロディで唄う
震えるような…
" 優しくして… "
作詞:中里綴 作曲:西岡たかし 編曲:渡辺博也
1984年5月21日、8枚目のオリジナルアルバム 『 風の予感 』 収録。
フォノグラム移籍第二弾のオリジナルアルバムは、自作曲を2曲にとどめ、
" シンガー沢田聖子 " を前面に押し出した " さわやかな冒険 " 的アルバム。
前作『ターニング・ポイント』で少女から大人の女性への足掛かりを作り、
『 風の予感 』 でそのイメージチェンジを完成させる構図を描いた1枚。
それまでに起用したことのない著名作家陣を迎え、
サウンド的にも、大人の女性を意識した1枚に仕上げている。
「 まとまりと、落ち着きのある秀作 」という評価も多くあったものの、
" 自作曲が2曲 " というファンの落胆と失望が、後々まで大きく響いた1枚。
そして、リリース直前までシングル化の予定だったというタイトル曲は、
当時、飛ぶ鳥を撃ち落とす勢いの超売れっ子作詞家によるシングルに変更。
「なぜタイトル曲をシングルにしなかったのか?」
というファンの声も後を絶たず…。
ファンの評価も真っ二つに分かれ、『 卒業 』 に続く問題作となった1枚。
デビュー5周年のこの年、4月20日から始まった全国縦断リサイタルツアー
『 5th Anniversary Concert 』 では、1か月後のリリースアルバムから4曲、
5日後にリリースするシングル曲 『 都会人 』 『 思いちがい 』をセットリストに入れ、
大ヒットを狙ったシングル 『 都会人 』 を本編とアンコールで2回唄う、
という念の入れよう…。
この夏、さわやかな旋風を巻き起こす予感…
風の予感…。
雷鳴と雨音、ドラムの軽快なリズムで始まるアルバム1・2曲目から、
バラード調の楽曲に流れ、アルバム中盤の4曲目に位置する 『 優しくして… 』 に、
続くA面最後の 『 都会人 』 から、シングル候補だった 『 風の予感 』 へと続き、
ラヴソング2曲を挟んで自作の2曲、B面最後の名曲 『 想い出のオルゴール 』 へ…。
1枚のアルバムとしての流れ、構成、バランスとしては、とてもよく出来ている。
落ち着きのあるサウンド、アルバムイメージは、この前後のアルバムにはない。
この時代にしか見られない、眩いばかりの輝き…。
1曲1曲取り上げて聴くのではなく、1枚のアルバムとして通して聴いて、
初めてその心地良さに触れることが出来る、稀有なアルバム 『 風の予感 』 。
重苦しいイントロ、吐息交じりのせつないヴォーカルから始まる 『 優しくして… 』。
ピアノ1本のスローバラード…と思いきや、中盤から一転して流れるようなメロディ。
ストリングスに載せるヴォーカルには、シンガーとしての大きな成長がそこに…。
スローテンポで、ささやくように唄う " 優しくして… "
ではなく…
胸打つのは…
軽やかなメロディで唄う
震えるような…
" 優しくして… "
ふたつめの春 [フォノグラム時代]
『 ふたつめの春 』
作詞・作曲:沢田聖子 編曲:渡辺博也
1985年2月21日、10枚目のオリジナルアルバム 『 Potential 』 収録。
当時、アルバムのジャケット写真が渡辺美里の1stアルバムと似ている…
と揶揄された10枚目のオリジナルアルバム 『 Potential 』 。
当然デビューも、このアルバムリリース日もこちらが早く、
ジャケット写真どころか、存在自体もそちらが真似をしているのだ…
80年代の女性ニューミュージック・シーンを変えたパイオニアでもある
沢田聖子さんのデビューがあったからこそ………
と、当時のファン仲間と、歯ぎしりをして悔しがった…
そしてこのアルバムジャケットは、「ウーパールーパー」と…
ファンの間で密かに呼ばれた…。
懐かしい想い出の詰まった1枚…。
レコード時代の、アルバムA面最後の楽曲 『 ふたつめの春 』
ストリングス・カルテットの弦の響き、重厚な低音が胸の奥底までに響く。
話題性の多かったアルバムの中、その喧騒に埋もれてしまった1曲。
それでいて、密かにファンの間でも支持が高かった1曲。
楽曲としてのクオリティの高さは、アルバム随一。
ある著名な作詞家が、ラヴソングのほとんどは想像から創りだされたもの…
と何かの音楽雑誌で語っていたのを読んだことがあり…。
もちろん自らの恋愛、失恋の体験を土台としていることもあるものの、
自らの実体験だけでは、作品を創ることは出来ない…と。
アーティストも一人の人間。
ドラマチックな恋愛や別離は、人生の中でもそうそうあるものではない…。
ほんの小さな恋心にさえ、枝葉をつけるものだと…。
当たり前の事とわかっていながら、ファンはその楽曲にあれこれ想いを巡らす…
一度完成した楽曲の歌詞がボツになり、全て書き直した『ふたつめの春』
メロディはそのままに、歌詞を改めて音符に合わせて書き直したという。
悲鳴を上げて書き直したとは思えない、切実な恋心…。
果たして……。
あの春から…
いくつめの春が…
もうすぐやってくる…。
作詞・作曲:沢田聖子 編曲:渡辺博也
1985年2月21日、10枚目のオリジナルアルバム 『 Potential 』 収録。
当時、アルバムのジャケット写真が渡辺美里の1stアルバムと似ている…
と揶揄された10枚目のオリジナルアルバム 『 Potential 』 。
当然デビューも、このアルバムリリース日もこちらが早く、
ジャケット写真どころか、存在自体もそちらが真似をしているのだ…
80年代の女性ニューミュージック・シーンを変えたパイオニアでもある
沢田聖子さんのデビューがあったからこそ………
と、当時のファン仲間と、歯ぎしりをして悔しがった…
そしてこのアルバムジャケットは、「ウーパールーパー」と…
ファンの間で密かに呼ばれた…。
懐かしい想い出の詰まった1枚…。
レコード時代の、アルバムA面最後の楽曲 『 ふたつめの春 』
ストリングス・カルテットの弦の響き、重厚な低音が胸の奥底までに響く。
話題性の多かったアルバムの中、その喧騒に埋もれてしまった1曲。
それでいて、密かにファンの間でも支持が高かった1曲。
楽曲としてのクオリティの高さは、アルバム随一。
ある著名な作詞家が、ラヴソングのほとんどは想像から創りだされたもの…
と何かの音楽雑誌で語っていたのを読んだことがあり…。
もちろん自らの恋愛、失恋の体験を土台としていることもあるものの、
自らの実体験だけでは、作品を創ることは出来ない…と。
アーティストも一人の人間。
ドラマチックな恋愛や別離は、人生の中でもそうそうあるものではない…。
ほんの小さな恋心にさえ、枝葉をつけるものだと…。
当たり前の事とわかっていながら、ファンはその楽曲にあれこれ想いを巡らす…
一度完成した楽曲の歌詞がボツになり、全て書き直した『ふたつめの春』
メロディはそのままに、歌詞を改めて音符に合わせて書き直したという。
悲鳴を上げて書き直したとは思えない、切実な恋心…。
果たして……。
あの春から…
いくつめの春が…
もうすぐやってくる…。
ごめんね [フォノグラム時代]
『 ごめんね 』
作詞・作曲:沢田聖子 編曲:渡辺博也
1985年2月21日、10枚目のオリジナルアルバム 『 Potential 』 収録。
初のアルバム全曲の作曲を手掛けた記念碑的アルバムでもあり、
それまでの「もっと沢田聖子本人のオリジナルを!」
というファンの声に応え、" 全曲 沢田聖子 作品 " を売りとしたアルバム。
そしてこの約1か月半後の4月1日、ファン待望の初のビデオと写真集を発売し、
「 Potential3点セット 」 と呼ばれた。
いわゆるフォノグラム時代の " アルバムラッシュ " の時代であり、
レコード会社が、社運を賭けんばかりのセールスプロモーションを仕掛けた時期。
ビデオでは、タイトル曲に乗って最初で最後の海岸での水着シーンがあり、
更に写真集でも掲載され、当時ファンの間ではこの話題で沸騰した。
今も 『 Potential 』 と言えば、多くのファンがこのビデオシーンを思い起こす…。
ただし、「 若気の至り… 」 と語るご本人の前でのこの話題は…
ご法度…。
アルバム制作時の、「 ラヴソングだけのアルバムにはしたくない 」 という想いから、
収録曲はバラエティに富み、多岐に亘るコンセプトのアルバムに仕上がっている。
前作のアルバム 『 INGENUE 』 の収録予定だった 「 マイ・ペース 」 は、
本人も自信作として書き下ろしたが、アルバムの世界と詩のイメージが違う…
というスタッフの見解から、このアルバムへと引き継がれた楽曲。
一度完成していた詩がすべて書き直しとなった 『 ふたつめの春 』 。
すでに出来上がっているメロディに当てはまる詩を再び捜さなければならず、
当初の楽曲のイメージを払拭するのも大変だった…
と悲鳴を上げて完成させた1曲。
そして年末のシングルとしてリリース予定の楽曲だった 『 ごめんね 』 は、
ファンからの高い評価を得た前作のアルバム収録曲 『 あなたからF.O. 』 が
急遽シングルカットとなったため、このアルバムに収録された。
デビューから5年が過ぎ、シングルヒットを期待されていた時期でもあり、
シンガーソングライターとしてのクオリティとセンスの高さを兼ね備えた
名曲 『 あなたからF.O. 』 がシングルになったことは、仕方ないにしても、
女性ファン獲得に向けての、制作サイドの明確な思惑が読み取れる楽曲。
女性シンガーソングライターの一流への階段を上る秘訣は、
いかに女性の支持を得られるか…という時代でもあったため、
この時期の沢田聖子さんの楽曲も、時代の趨勢に振り回された感がある…。
差し替えとなったシングル 『 あなたからF.O. 』 にしても 『 ごめんね 』 にしても、
デビュー時の清純なイメージからの脱皮、イメージチェンジが窺える楽曲。
そして、この時期の沢田聖子さんの恋愛観を垣間見ることも出来る貴重な楽曲。
フォノグラム時代のラヴソング、特に20代前半のラヴソングには、
この時期にしか書けない、30代以降の楽曲には見られない、
鋭い感性がそこに…
それまでは、あからさまに " 女 " を見せずにいた沢田聖子。
アーティストとしても、一人の女性としても…。
時代の趨勢か、包み隠すことない恋愛へのストレートな想いか…。
まるで、「ごめんね…」 とつぶやいているような…
作詞・作曲:沢田聖子 編曲:渡辺博也
1985年2月21日、10枚目のオリジナルアルバム 『 Potential 』 収録。
初のアルバム全曲の作曲を手掛けた記念碑的アルバムでもあり、
それまでの「もっと沢田聖子本人のオリジナルを!」
というファンの声に応え、" 全曲 沢田聖子 作品 " を売りとしたアルバム。
そしてこの約1か月半後の4月1日、ファン待望の初のビデオと写真集を発売し、
「 Potential3点セット 」 と呼ばれた。
いわゆるフォノグラム時代の " アルバムラッシュ " の時代であり、
レコード会社が、社運を賭けんばかりのセールスプロモーションを仕掛けた時期。
ビデオでは、タイトル曲に乗って最初で最後の海岸での水着シーンがあり、
更に写真集でも掲載され、当時ファンの間ではこの話題で沸騰した。
今も 『 Potential 』 と言えば、多くのファンがこのビデオシーンを思い起こす…。
ただし、「 若気の至り… 」 と語るご本人の前でのこの話題は…
ご法度…。
アルバム制作時の、「 ラヴソングだけのアルバムにはしたくない 」 という想いから、
収録曲はバラエティに富み、多岐に亘るコンセプトのアルバムに仕上がっている。
前作のアルバム 『 INGENUE 』 の収録予定だった 「 マイ・ペース 」 は、
本人も自信作として書き下ろしたが、アルバムの世界と詩のイメージが違う…
というスタッフの見解から、このアルバムへと引き継がれた楽曲。
一度完成していた詩がすべて書き直しとなった 『 ふたつめの春 』 。
すでに出来上がっているメロディに当てはまる詩を再び捜さなければならず、
当初の楽曲のイメージを払拭するのも大変だった…
と悲鳴を上げて完成させた1曲。
そして年末のシングルとしてリリース予定の楽曲だった 『 ごめんね 』 は、
ファンからの高い評価を得た前作のアルバム収録曲 『 あなたからF.O. 』 が
急遽シングルカットとなったため、このアルバムに収録された。
デビューから5年が過ぎ、シングルヒットを期待されていた時期でもあり、
シンガーソングライターとしてのクオリティとセンスの高さを兼ね備えた
名曲 『 あなたからF.O. 』 がシングルになったことは、仕方ないにしても、
女性ファン獲得に向けての、制作サイドの明確な思惑が読み取れる楽曲。
女性シンガーソングライターの一流への階段を上る秘訣は、
いかに女性の支持を得られるか…という時代でもあったため、
この時期の沢田聖子さんの楽曲も、時代の趨勢に振り回された感がある…。
差し替えとなったシングル 『 あなたからF.O. 』 にしても 『 ごめんね 』 にしても、
デビュー時の清純なイメージからの脱皮、イメージチェンジが窺える楽曲。
そして、この時期の沢田聖子さんの恋愛観を垣間見ることも出来る貴重な楽曲。
フォノグラム時代のラヴソング、特に20代前半のラヴソングには、
この時期にしか書けない、30代以降の楽曲には見られない、
鋭い感性がそこに…
それまでは、あからさまに " 女 " を見せずにいた沢田聖子。
アーティストとしても、一人の女性としても…。
時代の趨勢か、包み隠すことない恋愛へのストレートな想いか…。
まるで、「ごめんね…」 とつぶやいているような…
「 あなたからF.O. 」 Album ver. [フォノグラム時代]
『 アンジェーヌのテーマ 』
作曲:西木栄二
『 あなたからF.O. 』 ( あなたからフェイドアウト )
作詞作曲:沢田聖子 編曲:渡辺博也
1984年7月25日、9枚目のオリジナルアルバム 『 INGENUE 』 収録。
1984年12月1日、12枚目のシングルとして 『 あなたからF.O. 』 をシングルカット。
『 あなたからF.O. 』 は、フォノグラム時代最高の名曲として高く評価され、
沢田聖子全曲の中でも、屈指の完成度の高さを誇っている。
収録アルバム 『 INGENUE 』 は、5周年記念の6曲入りのミニアルバムとして
アニバーサリー・ツアーの東名阪の名古屋公演の日にリリースされ、
その4日後に日比谷野外音楽堂での千秋楽イベントを行う、という破格の演出だった。
アルバムとシングルでは、楽曲そのものの音源は同じであるが、
シングカット時のミックスダウンに違いがある。
アルバムでは 『 アンジェーヌのテーマ 』 からイントロのリズム隊へとクロスフェードし、
楽曲の最後はフェードアウトせず、再びリズム隊でのアウトロで締めている。
そもそもこの 『 あなたからF.O. 』 はアルバムから生まれた楽曲であるため、
アルバム 『 INGENUE 』 の中で聴いていたファンにしてみれば、
アルバム版 『 あなたからF.O. 』 がオリジナル、という声が昔から多かった。
個人的にも、『 アンジェーヌのテーマ 』 と対になってこその 『 あなたからF.O. 』 。
しかしアルバム版 『 あなたからF.O. 』 は、アルバム自体がCD化されていないため
現在ではレコードからの音源でしか聴くことが出来ない。
ちなみにジャケット等のイラストの版権から、同じ形でのCD化はほぼ絶望的。
なおシングルは、初のA・B面本人のオリジナル楽曲となった記念碑的な1枚。
「 これでどうだ! 」 とシングルヒットを望まれていた聖子さんの意地の1曲。
アルバム版の 『 あなたからF.O. 』 を聴きたい…
という声が以前からあり、そのリクエストにお応えして再び…。
作曲:西木栄二
『 あなたからF.O. 』 ( あなたからフェイドアウト )
作詞作曲:沢田聖子 編曲:渡辺博也
1984年7月25日、9枚目のオリジナルアルバム 『 INGENUE 』 収録。
1984年12月1日、12枚目のシングルとして 『 あなたからF.O. 』 をシングルカット。
『 あなたからF.O. 』 は、フォノグラム時代最高の名曲として高く評価され、
沢田聖子全曲の中でも、屈指の完成度の高さを誇っている。
収録アルバム 『 INGENUE 』 は、5周年記念の6曲入りのミニアルバムとして
アニバーサリー・ツアーの東名阪の名古屋公演の日にリリースされ、
その4日後に日比谷野外音楽堂での千秋楽イベントを行う、という破格の演出だった。
アルバムとシングルでは、楽曲そのものの音源は同じであるが、
シングカット時のミックスダウンに違いがある。
アルバムでは 『 アンジェーヌのテーマ 』 からイントロのリズム隊へとクロスフェードし、
楽曲の最後はフェードアウトせず、再びリズム隊でのアウトロで締めている。
そもそもこの 『 あなたからF.O. 』 はアルバムから生まれた楽曲であるため、
アルバム 『 INGENUE 』 の中で聴いていたファンにしてみれば、
アルバム版 『 あなたからF.O. 』 がオリジナル、という声が昔から多かった。
個人的にも、『 アンジェーヌのテーマ 』 と対になってこその 『 あなたからF.O. 』 。
しかしアルバム版 『 あなたからF.O. 』 は、アルバム自体がCD化されていないため
現在ではレコードからの音源でしか聴くことが出来ない。
ちなみにジャケット等のイラストの版権から、同じ形でのCD化はほぼ絶望的。
なおシングルは、初のA・B面本人のオリジナル楽曲となった記念碑的な1枚。
「 これでどうだ! 」 とシングルヒットを望まれていた聖子さんの意地の1曲。
アルバム版の 『 あなたからF.O. 』 を聴きたい…
という声が以前からあり、そのリクエストにお応えして再び…。