小さな船 [フォノグラム時代]

『 小さな船 』
作詞・作曲:沢田聖子 編曲:渡辺博也

1985年12月1日リリース12枚目のオリジナルアルバム 『 夢のかたち 』 収録。

ディレクターやスタッフと共同プロデュース、という形をとった初めてのアルバム。
そしてアルバムタイトルが収録曲にない、初めてのアルバム 『 夢のかたち 』。
ひとつの楽曲としてではなく、アルバムとしての " 夢のかたち " を創った1枚。

そのアルバムの1曲目に収録された 『 小さな船 』。
この時代、そして沢田聖子には珍しい6分38秒に及ぶ楽曲の長さ。
ストリングスとピアノで始まるイントロは、1分30秒を超える重々しさ…。

「 あえて重たい楽曲を1曲目に持ってきたかった…」
という本人の希望で、アレンジも本人のイメージをそのまま形にしたもの。

はじめからこの楽曲をアルバムのテーマにしよう…と決めていた1曲。
今現在の私を包み隠さず曲にし、自然な形でのメッセージを伝えたい…と。

このアルバムリリースを境に、聖子さんの音楽やステージに対する語り口に
明らな変化が見られ、真のターニングポイントに差し掛かった頃…。


LA-51-0089.jpg


83年のレコード会社移籍から始まったアルバムラッシュ、シングルヒットを狙った楽曲、
写真集、ビデオクリップの発売など、華やかな時代が終焉を迎え…。
ファンもはしゃぎまくった一つの時代が終わり…。

みんな、ふと我に返ったように立ち止まり…

いつも前を走っていた貴女は…

いつの間にか…

後ろにいた…。


  冷めてしまったわけじゃない

      余計なものまで見えるから…


もうひとつの 『 流れる季節の中で 』 と言われた 『 小さな船 』。
クラウン時代の名曲 『 流れる季節の中で 』 から2年半。

大河の流れのような…
少女から大人の女性への過渡期としての 『 流れる季節の中で 』。
夢を追いかけ続けるアーティストへの過渡期としての 『 小さな船 』。

後年、デビュー30周年のセルフカバーアルバム『 Peaceful Memories 』にも、
『 流れる季節の中で 』 と並べて収録した 『 小さな船 』。

あの頃の想いは、ずっと…。


RIMG0077.JPG


「 実感としては、初めて自分で作ったアルバムのような気がする… 」

アーティストとして、本当の自分の " 夢のかたち " を探し始めた時…。

「 今の自分を残しておきたい… 」


そう言っていた貴女…

あれから30年ちかく…

夢のかたちは…



  夢を捨てたわけじゃない

  夢の形が変わっただけ

  空を渡る 雲だって

  同じ場所に留まってはいられない



nice!(43)  コメント(3)  トラックバック(0) 

nice! 43

コメント 3

hatumi30331

常に向上心! 目指す物があるのは幸せな事ですね。^^
by hatumi30331 (2013-05-03 08:23) 

旅爺さん

あれから30年・・・キミマロはあれから40年でしたね。笑
皆が連休で楽しんでる時は沢田聖子さんはお仕事が多忙なんでしょうね。
by 旅爺さん (2013-05-03 10:28) 

アルキメデンティスト

当時のことを思い出します。自分はこのアルバムが大好きでいたが、なぜか友人はこのアルバムが、前作みたいに「全曲自作曲じゃない」といってファンから離れて行きました。この曲のイントロが、今も心に生きています。
by アルキメデンティスト (2013-05-04 07:41) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

On-demandOn-demand Vol.2 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。